

PerfectWave DACMK2 / DirectStream DACの性能を引き出すパワーアンプを発売したい、というPS Audioの願いが、長年の開発期間を経て、BHK PowerAmlifierpとして、ついに、製品化されました。
プロトタイプが、2014年 Rocky Mountain Audioショーに初お目見えし、北米各地のショーで紹介され、2015年10月開催された北米有数のオーディオショー Rocky Mountain Audio Show にて、” International Hi-Fi Press awards 2015” の受賞にも選ばれました。
BHK Power Amplifierの開発には、約50年以上に渡って、Constellation Audio, Infinity and Conrad Johnsonにてハイエンドアンプの設計に携わってきた Bascom.H. Kingが担当し、彼のエンジニアキャリアの集大成のモデルとして完成しました。
Bascomは、PS Audioと開発をしたBHK Powerampの出来栄えに相当な満足を感じ、生涯で初めてのシグネイチャーモデルとして、このパワーアンプに、彼の名前をつけました。
PS Audio Paul 会長と Bascom 氏は、 Infinity Loudspeakers の設立者であるArnie Nudell 氏の紹介で、数十年前に知り合い、いつか仕事をしたい、と機会を窺がっていました。
今回、BHK PowerAmplifierの開発にあたり、Paul会長はシャーシのサイズ以外はすべて、Bascom氏の裁量に任せ、Bascom氏が理想とする製品開発の後押しをしています。
Paul会長自身は、今回は、主に音質部品の選定や音決めの他、プロデューサー的な役割を担っています。( Paul会長とArnie氏は、Paul会長のGenesis speakers時代にともに仕事をした旧知の仲です。Arnie氏は、DSDACの開発にも携わっています。)
BHK PowerAmplifierは、入力段には、真空管、出力段には、トランジスタというHybrid構造となっており、パワー段の片チャンネルに、MOS-FET x 20 を搭載しています。
入力段に真空管を搭載することにより、トランジスタでは、失われてしまう音楽的表現や微妙なニュアンスが失われることなく、音場に表現されています。
Bascom氏は、このHybrid アンプ設計の第一人者であり、世界で最初に、Hybridアンプを開発したエンジニアでもあります。
この最高の組み合わせから生まれるサウンドにより、スピーカーにかかっていた音のベールが落ち、聴きなれている音楽に潜んでいた音楽の豊かさが現れてきます。
また、真空管を採用した入力段は、高性能マイクロフォンのように、微細な音も逃さず正確にパワー段へと伝えてく役割を果たしています。
Power Amplifierは、スピーカーをドライブさせるだけではなく、DAコンバーターや、アナログプレーヤー、プリアンプから送られてきた微小な信号を増幅させる役割を担うという非常に重要な役割を与えられています。
BHK Power Amplifierは、入力段に採用されて真空管に、出力段とのインターフェイス役を与えることにより、入力段での ‘ zero-loss’ という概念を実現することに成功しました。
BHK Power amplifierには、ロシア製Gold Lion 6922s が採用されています。
設階では、別のTubeが採用されていたのですが、Paul会長の数百時間にも及ぶ試聴の結果、Gold Lion 6922の採用を決定しました。
Tube vacuumは、non-feedback回路で設計されており、CDプレーヤーや、DAコンバーターから直接送られる入力信号を、Mos FETで構成される出力段へ送りこむ インターフェイスとしての役割を完全にこなしています。
出力段には、どのトランジスタよりも真空管に近い音楽表現ができるという理由から、MOSFETが採用されました。
最近では、MOSFETを採用した場合、NタイプとPタイプそれぞれぞれ回路構成しますが、BHKPowerAmplifierは、敢えて、Nタイプだけを採用しています。
理由としては、Nタイプの歪の少なさと、性能の高さを優先したこと、Nタイプを混在させることによる性能のバラつきを避けたい、という意図から、Nタイプだけを採用する、という設計を選択しました。
さらに、入力段、出力段それぞれに大きさの異なるカスタム製のトロイダルトランスが採用されるなど、入力段、出力段への電源供給は完全に独立しており、強化もされています。
尚、出力は、250W (8Ω), 400W (4Ω), 周波数特性は、10Hz-200kHz( +0.1/-3 dB)まで伸びています
オーディオパーツは、ひとつひとつ丁寧に音質を最優先に採用されており、全てのオーディオボードは、ミズーリ州カンザスシティーにある工場で別注品として、手差しでアッセンブルされています。ボードのアッセンブルは、Colorado州、BoulderのPS Audioの自社工場で実施されており、BHK Power Amplifierの組上げは、約10時間を要しています。
主な仕様
・真空管搭載、ノンフィードバック、ゼロロス入力段
・MOS FET搭載、完全バランス回路設計
・XLR 入力端子
・出力(ステレオ モデル,歪率0.1%以下 20Hz-20kHz 定格出力 )
-250 watts per channel 8Ω Stereo 250 model
-500 watts per channel 4Ω Stereo 250 model
-500 watts per channel 2Ω Stereo 250 model
・出力( モノ モデル, , 歪率0.1%以下 20Hz-20kHz 定格出力 )
-300 watts 8Ω 300 mono model
-500 watts 4Ω 300 mono model
-500 watts 2Ω 300 mono model
・ダンピングファクター: 100
・バイワイヤリングタイプ、カスタム製大型ゴールドメッキ仕上げ 固体銅性スピーカーターミナル
・435(W)×210(H)×370(D)mm、約40kg